こんにちは。多忙な看護師生活の中で不眠症に悩んでいた私が、アロマテラピーと出会って人生が変わりました。そして最近では、和アロマと和ハーブの組み合わせに魅力されている、アラフィフ看護師です。
今回は、アロマテラピーとハーブの密接な関係について、看護師としての観察眼と個人的な体験をもとにお話しさせていただきます。
この二つの自然療法を組み合わせることで得られる相乗効果は、本当に素晴らしいものがあります。
日本におけるハーブとアロマの歴史的な流れ
私がアロマテラピーに出会ったのは2000年代に入ってからでしたが、振り返ってみると、日本ではハーブが先に親しまれ、その後でアロマテラピーのブームが到来したという興味深い歴史があります。
1990年代後半から2000年代初頭にかけて、アロマテラピーブームが日本に本格的に上陸しました。
すでにハーブの基礎知識があった人々にとって、「あのラベンダーの香りが精油になっているのね」「カモミールティーで親しんだあの植物が、こんな風にも使えるんだ」という発見は、とても自然に受け入れられたようです。
つまり、アロマテラピーとハーブは同じ植物の異なる活用法なのです。
ハーブティーとして内側から、精油として外側から、同じ植物の恵みを受け取ることができます。
ハーブから精油へ―植物の恵みが凝縮される過程
看護師として薬理作用に興味を持っている私にとって、ハーブから精油が抽出される過程は非常に興味深いものでした。
水蒸気蒸留法では、ハーブに蒸気を通すことで、植物の香り成分や有効成分を気化させて抽出します。この過程で、ハーブの持つ成分が数十倍から数百倍に濃縮されるのです。
例えば、ラベンダーの精油1滴を作るのに、約100~200個の花が必要と言われています。つまり、精油はハーブエキスの「超濃縮版」なのです。
一方、ハーブティーは水溶性の成分を主に抽出するため、精油とは異なる成分を摂取することになります。
同じ植物でも、抽出方法によって得られる恩恵が違うのが面白いところです。
私が体験した相乗効果―夜勤明けの疲労回復法
夜勤明けで心身ともに疲れ切っている時に発見した、私なりの疲労回復法をご紹介します。
まず、カモミールティーをゆっくりと飲みます。
カモミールに含まれるアピゲニンという成分が、内側から緊張を和らげてくれます。
看護師として患者さんの不安な気持ちに寄り添う仕事をしていると、知らず知らずのうちに自分の心も緊張状態になっているものです。
ハーブティーを飲みながら、ラベンダーとベルガモットを希釈したマッサージオイルで首と肩をほぐします。
外側からの香りのアプローチが、ティーの効果と相まって、深いリラクゼーション状態へと導いてくれるのです。
この方法を続けていると、夜勤による不規則な生活リズムも徐々に整い、不眠症も改善していきました。
内側と外側からの両方のアプローチが鍵だったのだと実感しています。
和ハーブと和精油―日本人に寄り添う癒し

最近特に心を奪われているのが、日本古来の和ハーブと和精油の世界です。
ヨモギは、昔から日本で薬草として親しまれてきました。
ヨモギ茶として飲むと、体を温め、消化を助けてくれます。一方、ヨモギの精油(艾葉油)は、深い安らぎを与えてくれる香りで、まさに日本人のDNAに刻まれた安心感があります。
クロモジも日本の代表的な和精油の一つです。
楊枝の材料としても使われてきたクロモジは、ハーブティーとしては飲用されませんが、精油としての香りは格別です。森林浴をしているような清々しさと、同時に心を落ち着かせる不思議な力があります。
ドクダミは、ハーブティーとしては少しクセがありますが、解毒作用で知られています。
精油は市販されていませんが、ドライハーブを枕に入れて香りを楽しむという伝統的な使い方もあります。
相乗効果を高めるための組み合わせ例
長年の経験から見つけた、おすすめの組み合わせをご紹介します。
- リラックス&安眠
| ハーブティー | カモミール+パッションフラワー |
| アロマ | ラベンダー+ベルガモット(光毒性に注意)を寝室で芳香浴 |
- 集中力アップ&疲労回復
| ハーブティー | ペパーミント+レモンバーム |
| アロマ | ローズマリー(希釈してこめかみに少量) |
- 免疫力サポート
| ハーブティー | エキナセア+エルダーフラワー |
| アロマ | ティーツリー+ユーカリを芳香浴で |
- 女性特有の不調に
| ハーブティー | ラズベリーリーフ+ローズヒップ |
| アロマ | ゼラニウム+クラリセージをキャリアオイルで希釈してお腹のマッサージ |

個人差がございますので、必ずしも万人に合うとは限りません。
一つの例としてご参考になれば幸いです…。
安全に楽しむための注意点
看護師としてお伝えしたい安全面での注意点があります。
ハーブティーについて
妊娠中・授乳中は避けるべきハーブがあります(セージ、アンジェリカなど)。
薬を服用中の方は、ハーブとの相互作用に注意が必要です。
アレルギー体質の方は、少量から始めてください。
精油について
ハーブティーと同じ植物の精油を使う場合も、濃度や使用量に注意が必要です。
内服は絶対に避けてください。
組み合わせ使用について
同じ植物のハーブティーと精油を同時使用する場合、作用が強く出る可能性があります。
体調の変化を注意深く観察し、違和感があれば使用を中止してください。
看護師として気づいた植物の力
医療現場で働く中で、薬の素晴らしさを日々実感していますが、同時に植物が持つ優しい力にも魅力を感じています。
ハーブもアロマも、急激な変化ではなく、ゆっくりと体と心に寄り添ってくれるのが特徴です。
例えば、患者さんの中には薬の副作用で悩む方も多くいらっしゃいます。
そんな時、「自宅でのセルフケアとして、こんな自然な方法もあるんだな」と思うことがあります。もちろん、医療現場では使用しませんが、個人的な知識として蓄積されたものが、私自身の生活の質を向上させてくれています。

まとめ
アロマテラピーとハーブは、同じ植物から生まれる姉妹のような存在で、本当に奥が深くて、まだまだ学びたいことがたくさんあります。
この二つを組み合わせることで、植物の持つ力をより多角的に活用できます。
私自身、不眠症という辛い経験があったからこそ、これらの自然療法の素晴らしさを実感できました。忙しい現代人にとって、ハーブティーをゆっくり飲む時間、精油の香りに包まれる時間は、心と体をリセットする貴重なひとときです。
医療現場で働く者として、また一人の女性として、自然の恵みに感謝しながらこれからも安全で楽しいアロマ&ハーブライフを続けていきたいと思います。
皆さんも、ぜひ植物の持つ優しい力を日常生活に取り入れてみてくださいね。

この記事は、個人の体験と看護師としての知識をもとに作成していますが、医療行為ではありません。ハーブや精油の使用について不安がある方は、専門家にご相談ください。
